アンクルトレーニングとは?

もくじ

【新体操個人総合最年少3連覇】

世界新体操選手権個人総合金メダル3連覇(史上4人目)のヤナ・クドリャフツェワ選手が
無名時代から15歳で初めて世界チャンピオンになるまで行なっていた特殊なトレーニングがあります。

このトレーニングは、日本ではまだその存在すら知られておらず、日本代表のみ経験する程度。

もしかすると、今年世界三連覇したヤナ選手のことは、あなたもご存知かもしれませんね。
ウィキペディアで経歴を見てみると、その凄い実績に圧倒されます。

2007年にナショナルチーム入り。
2013年にシニア参戦、世界新体操選手権の個人総合で金メダルを獲得。
種目別でも金2個(リボン、クラブ)、銀2個(ボール、フープ)を獲得した。
同年の世界新体操クラブ選手権の個人総合でも優勝。
2014年の世界新体操選手権において、個人総合2連覇を達成。
種目別・団体総合を含め5個の金メダルを獲得した。
2015年の世界新体操選手権において、史上4人目となる個人総合3連覇を達成。
種目別・団体総合でも不出場のフープを除きすべて金メダル。

ウィキペディアより。ヤナ・クドリャフツェワ
 
このページを見て頂くと明らかなように、金メダルがずらり。少しだけ銀メダルというすごすぎる成績を残しています。
 
こう書くと、
 
「ヤナ選手に天賦の才能があり、他の選手には到底真似できないもの」
 
と思われるかもしれませんね。
 
でも、ちょっと待ってください。
 
少し調べたらそれだけではないことがわかてきました。
 
そのトレーニングを開発し指導したコーチがエレナ・カルプシェンコ氏。
 
エレナコーチは、ヤナ選手が4歳で新体操を始めたときからのコーチです。
ウィキペディアより。
 
エレナコーチは、世界チャンピオン三連覇のヤナ選手の他にもトップレベルの選手を育て上げています。
 
・ヨーロッパチャンピオン(2015)
・ジュニア・ワールドカップチャンピオン(2015)
・ヨーロッパ・ジュニアチャンピオン(2007, 2014)

 
いかがですか?
 
確かにヤナ選手の才能もあるかと思いますが、エレナコーチの指導力も関係していると思いませんか? 
 
では、そのヤナ選手。
 
新体操を始めた頃はどんな生徒だったと思いますか? 
 
「自分の練習をビデオに撮って、見たけど上手ではなかった(so bad)。」
 
と語っています。
国際体操連盟のデータベース
 
それが2001年頃。
 
エレナコーチが育成した選手がヨーロッパ・ジュニアチャンピオンを獲ったのが2007年ですから、
ヤナ選手が新体操を始めた当時はまだコーチとして目立った実績はなかったわけです。
 
この(自称)上手ではなかった選手と有名ではなかったコーチの組み合わせがのちに奇跡を起こします。
 
日本では、生徒や保護者が指導者を選ぶとき、実績を重視することがあるかと思います。
 
もし、ヤナ選手や彼女のご両親がそれをしていたら、いまのヤナ選手の活躍はなかったかもしれませんね。
 
少なくとも、それ(習い事を始める段階での指導者の実績)とは関係なく結果が出せるということを証明した事にもなります。
 
となると、なぜ新体操を始めてわずか11年で史上最年少の世界チャンピオンになれたのか
生まれつきの才能とも実績とも関係ない何かがあるはずです。
 
そこで、登場するのがエレナコーチが独自に指導していたという特殊なトレーニングです。
 
これに関連して、ヤナ選手は、
CNNの特集記事の中で「コーディネーション能力が高いと、難しい要素が容易に習得できる」と語っています。
 
「コーディネーション能力」って何?
 
と思いましたか?
バレエの教科書には出てきませんからね。^^;
 


 
 

【コーディネーション能力】

一般的な意味での「コーディネーション」「協調性」とか「調整」のことです。
 
体の運動に当てはめていうと、たとえば、右脚をアラセゴンドに上げる時、見かけ上は右脚が横から上がっていくわけですが、
体全体で見るとその動きができるようにあちこちが少しずつ「助け合う」わけです。
 
この「助け合い」がコーディネーションといっても良いかもしれません。
 
体幹(胴体)に注目してみると、右脚が横に向かって動き始めた時と90度位まで上がった時では、体幹の位置も形も異りますね。
 
右脚の角度に応じて、体幹が「助け合い」をしているから起こる現象です。
 
これがないと、右脚の重さで、体は右に倒れてしまいます。
 
バレエのステップや新体操のように、複雑な動きが連続するような場合、この「助け合い」もより複雑なものになります。
 
右脚を横に上げながら右腕は横に、左軸足はルルベにし、左腕は前に上げ、顔は右斜め上に向ける、とか。
 
そんなとき、「助け合い」がより複雑になります。
 
 
カラオケが最初から上手な人がいる一方で、音痴な人がいるように、
 
「助け合い」も、上手な人もいれば上手ではない人もいます。
 
あなたはどちらでしょう?
 
上手ならいいのですが、そうでないなら練習が必要ですね。
 
カラオケも練習することで上手になります。
 
練習しないとそのままです^^;
 
カマ足を直そうとすると、肩が上がる^^;
 
肩を下げようとすると、カマ足になる^^;;

 
と言った具合に、あちらを立てればこちらが立たず。
 
同時に複数のコントロールが出来ないことってないですか?
 
これは「コーディネーション能力」が不足していると見られる現象です。
 
「コーディネーション能力」のことを知らないと、
 
「肩を上げないようにすることとカマ足にしないようにすることは、しっかりと意識することでできるようになる」
 
と考えてしまいがちです(前提)。
 
そう思いながら何年も経過しているとしたら、前提を疑ったほうが良いですね。
 
解決策は、先に「コーディネーション能力」を高めてしまうことです。
 
そうすることで、
 
・右足をカマ足にしないでまっすぐに伸ばすこと、と
・左肩を上げずにしっかり下ろすこと

 
という複数のコントロールが同時に出来るようになります。
 
たとえば、あなたはピルエットをするとき、どんな点に注意していますか?
 

・軸をしっかり作る
・顔を残す
・顔をつける。スポットする
・素早くパッセ(ルティレ)に動足を置く
・軸脚の膝を伸ばす
・腕の反動を利用する
・引き上げを忘れない
・ターンアウトをしっかり
・バランスを保つ
などなど。

 
えっ! 他にもありますか?
 
ほらね!
 
同時にやらなければならないことがたくさんあるでしょ!?
 
これ全部同時に正確にコントロールしようとしたらコーディネーション能力が必要になりますね。
 
それなのに、
 
「どうやったら、ピルエットができるようになるのか?」
 
と、新しいコツを探してないですか?
 
これって、順番が逆ですね。
 
そもそも、いまやるべきことが出来てないからピルエットが上手に回れないんです。
 
やるべきことの一つ一つが同時に出来ていないからです。
 
なので、新しいコツを求めて「やること」を増やすのではなくて、
 
同時に複数のことが出来る能力を高める、
 
つまり、コーディネーション能力を高めることをすれば、
 
必要最小限の注意でピルエットが上手に回れるようになってくるはずです。
 
まずは、それをやりましょう。
 
それが出来るようになった上で、まだ改善が必要であれば、やることの一つ一つに磨きをかけるなり、
他のものに取り替えるなりしていけば、ピルエットの完成度はどんどん高まるはずです。
 
 
 
ただし、条件があります。
 
 
 

【ピルエットの三要素】

ピルエットのコツを追い求めるのは、日本だけに限りません。
 
バレエを学んでいる方なら、世界共通のようです。
 
こちらの資料をご覧ください。
 
ピルエットのコツを紹介する記事です。
 
記事1)「Our Top Ten Pirouette Tips(ピルエットのコツ・トップ10)」
記事2)「More Ways to Improve Your Pirouette(他にもあるピルエット改善法)」
 
記事2)の中で、アメリカン・バレエ・シアター小川華歩さんがピルエット10回転をしている様子を
スローモーションを使って詳細に分析解説した映像がこちらです。

 
 
そして、ピルエットに関して記事1)の冒頭で重要な事が語られています。
 
「ピルエットに挑むはるか前に、やっておくべきことがたくさんある。」
 
として、真っ先に次の二つ、
 
・コアの強化
・片足でのバランス力

 
が挙げられています。
 
 
バランスの三要素先ほど列記したテクニックの数々はこれらの後となります。
 
 
 
この考えで行くと、「コア」「バランス力」という土台が不十分なまま、その上モノである「テクニック」を追い求めてもピルエットは改善しないということになります。
 
しかし、ここでは土台の「コア」「バランス力」については、後述することにして、先に上モノの「テクニック」について、話を進めます。
 
 
 
 
 
 

【バレエにはない新体操の特徴】

新体操の選手
そこで、参考にすべきは新体操です。
 
新体操では、バレエのような動きをしながら様々な手具を使いますね。
 
踊る以外に、手具もコントロールしなければならない。
 
バレエより同時にやらなければならないことが多いのです。
 
いま、新体操個人で世界一は冒頭に書いた、ヤナ・クドリャフツェワ選手です。
 
彼女が初めて世界一に輝いたのが15歳で史上最年少です。
 
4歳で始めてわずか11年で世界一。
 
しかも、始めた当初から上手だったわけではない(らしい)。
 
ということは、上手にしてしまった何かがあるはずです。
 
しかも、その他大勢の選手より早く上達させてしまった何か、です。
 
新体操の練習をいくつか書き出してみると、
 
ストレッチ
・ストレッチ
・筋トレ
・ウォーミングアップ
・基礎トレーニング
・ロープのトレーニング
・ボールのトレーニング
・リボンのトレーニング
・クラブのトレーニング
・フープのトレーニング
・個人のトレーニング
・団体のトレーニング
・自由のトレーニング

などなど。
 
やること一杯(;´∀`)
 
一つ一つ練習してたら何時間あっても足りない(>_<)  
 
実際、週末や休日は朝から一日中練習しているチームがあるのもうなずけます。
 
一方、ヤナ選手は、新体操を始めてわずか5年でナショナルチーム入り。

その後、6年で世界一です。
 
速くないですか?
 
 

ステップアップ

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【他の選手がやっていなかった●●】

練習すればするほど上手になるというトレーニング法だとしたら、個人の能力差はさておき、時間の許す限り練習し、もっとも長く練習した選手がトップに立つことになります。
 
ホントですか?
 
ヤナ選手は、新体操史上最も長く練習し続けたのでしょうか?
 
金メダルを獲る選手は、銀メダルの選手より練習時間が長いのでしょうか?
 
そんな単純ではないですよね。
 
それは、彼女が週何時間練習していたのか聞けば、確認できますね。
 
彼女が「新体操史上最も長く練習し続けた」可能性は、極めて低いと思いますが、現時点では確認が取れないので否定はしないでおきます。
 
それはさておき、一つ分かっていることがあります。
 
彼女がやっていて他の選手がやっていなかったことがあるということ。
 
それが、彼女が新体操を始めた当初から世界一になるまで指導していたエレナ・カルプシェンココーチが独自に考案したとされるトレーニングです。
 
課題がたくさんある新体操に対して、一つひとつの課題を個別に鍛えるのではなく、もし二つ、三つ、四つと複数の要素を同時鍛えることが出来たとしたらどうでしょう?
 
 
 

【常識を超えた速い上達法】

単純化して考えると、練習の時間が二分の一、三分の一で済みます。
 
時間を短くしないとしたら、二倍、三倍の実力向上が得られることになります。
 
学校の教科学習で言うと、国語、算数、理科、社会と別々の時間に分けて教えるのではなく、全部まとめてしまう。
 
すると、4時間掛かっていたものが、たとえば2時間で済むとか(これで時間は二分の一)。
 
知っておいて損はないですよね。
 
もし短時間で済むのであれば、早く帰宅できます。
 
家族と過ごす時間や勉強の時間を増やすことが出来ます。
 
早寝早起きも出来て、身長も伸ばしやすくなります。
 
そもそも練習時間を長くして、技術的に向上しても、身長が足りなければ十分な評価は得られません。
 
実は、ロシアでも、このトレーニングは知る人ぞ知るトレーニングとして、エレナコーチのもとへ指導を受けに来る選手やコーチがいたそうです。
 
なので、ヤナ選手一人が受けていたわけではなく、エレナコーチの近くには、その独自のトレーニングを受けたことがある選手やコーチが他にもいたわけです。
 
 
 

【トップになってからでは遅すぎ】

ロシアでは日本とは違い、講習会やセミナーは頻繁には開かれないので、そういったトレーニング法も、
その指導者のもとで直接指導を受けるのみ。大勢が一度に学ぶということは一般的ではないそうです。
 
なので、ましてや日本にはほとんど入ってきておらず、わずか日本代表選手など極限られた選手しか学ぶことが出来ていません。
 
しかし、よく考えてみてください。
 
これって遅すぎじゃないですか?
 
ヤナ選手は、トップになってからやったのではなくて、スタートからやっていたのです。
 
仮に、ストレッチや筋トレを知らない国があったとします。ここでは、A国とします。
 
A国代表選手に選ばれた極僅かな選手たちを集めて、柔軟性と筋力アップを図る方法としてストレッチや筋トレを教えたとします。
 
確かに、それらが未経験だった選手たちには効果が現れるでしょう。
 
しかし、ストレッチや筋トレを幼児や小学生の頃から当たり前のように誰もがやっているB国では、すでに選手全体の底上げが出来ています。
 
底上げをしない中から選ばれたA国トップ選手 と
底上げをした中から選ばれたB国トップ選手 が
 
競技をしたらどうなるでしょう?
 
B国の方が有利ですよね。
A国の選手からすると、24時間週7日練習しても追いつけない実力の差を感じるかもしれません。
 
これがロシア(B国)とその他の国(A国)かも知れません。妄想ですが。。
 
これは極端な例ですが、それに近いことが実際におきている可能性はヒシヒシと感じます。
 
 
 

【指導者は極わずか】

そんな貴重なトレーニング法ですが、日本に指導できる方が極少数いるそうです。
 
その中の一人が今回ご縁を頂いた方。
ロシアの元新体操の選手であり、1995年のヨーロッパチャンピオンでもあります。
 
現役引退後、ロシアで体育教員の免許を取得し、日本人とご結婚。いま日本に住んでいるのです。
 
その方が、去年からバレエダンサーにも指導を始めたと聞き、日本でのバレエ界、新体操界への普及を提案させていただきました。
 
エレナコーチから指導を受けたこの特殊なトレーニングは、すでに日本人向けにアレンジして指導されているとのこと。
 
その特殊なトレーニング
 
ストレッチでもないし、筋トレでもないし、解剖学でもないし、生理学でもない。
 
エレナコーチが指導していた特殊なトレーニングにさらに日本人向けにアレンジを加えています。
 
たとえば、
その特殊なトレーニングは、バレエにも新体操にも共通するテクニックの一つ「ピルエット」にも有効です。

もしあなたが、
ピルエットが苦手で克服の糸口を探しているなら、
 
あるいは、
指導者として、自分のピルエットだけでなく、生徒さんのピルエットを改善できる指導力を身に着けたいなら、
 
あるいは、
史上最年少で三連覇を果たしたヤナ選手上達の秘密を垣間見たいなら、
 
アンクルトレーニングを取り入れる価値が十分にあるのではないでしょうか?
 
 
 

【何を鍛えているのか?】

この特殊なトレーニングが効果的なのはわかったけど、ストレッチや筋トレでないとすると、どこを、あるいは何を鍛えているのでしょうか?
 
それは、手足の感覚であり、手足の筋肉へ司令を送る神経系です。
 
ここでは、それらをまとめて
 
「脳」 
とします。
 
すなわち、このトレーニングは、
 
「脳トレ」
 
的要素がとても強いのです。
 
脳トレと聞いて、バレエ道場コーディネーショントレーニングを思い出していただけたでしょうか?
 
でも、そのどちらでもありません(・・?
 
もちろん、全く無関係ということではなく、直接的な関係はないということです。

なので、おそらく、普通に受けても何がどうなっているのかよく分からない、ことになるかもしれません。
 
実は、このトレーニングをより深く理解するためには、脳の働きと運動能力の関係について、理解することが必要となります。
 
その結果、レッスンの現場で応用を利かせられるようになります。
 
 
バランスの三要素

 

【ピルエットの三要素の残りの二つ】

さて、先ほど、ピルエットの三要素をご紹介しました。
 
・コア
・バランス力
・テクニック

 
ピルエットのための「テクニック」の改善は、土台となる他の二つの要素にかかっているのでした。
 
その二つとは、
 
・コア
・バランス力

 
でしたね。
 
 
 

【コマがなければコマは回せない】

この二つのうちどちらがより根本的かというと、
 
「コア」
 
です。
 
そもそも、コマがなければコマは回せない、ですよね。
コマ
 
「コア」とは、人間の体を軸の通ったコマにするために必須な要素です。
 
コマを持っていないのに、コマの回し方を学んでもコマは回せないですね。
 
まずは、コマを手に入れましょう。
 
ということで、「コア」の習得が土台にあるんです。
 
ピルエットの攻略法(テクニック)を探している方は、もしかすると、コアを改善したほうが早くピルエットが上手になるかもしれないんです。
 
 
 

【バランス力がないと一回転がやっと】

そして、もう一つ、テクニックより前にチェックしておかなければならないのが、
 
「バランス力」
 
です。
もし、あなたが、
 

「ピルエットは一回転ならなんとかできる。でも、二回転は時々まぐれで出来る程度。しかも、その二回転は素早い。」

 
ということに思い当たるなら、「バランス力」が足りていないのが原因かもしれません。
 
なぜなら、上記の場合、一回転も二回転も、軸足ルルベで立っている時間はほぼ同じだからです。
 
ピルエットをたくさん回れるようになりたかったら、ルルベで立っているられる時間を長くする必要があります。
 
それを可能にするバランスキープ力が身につけば、三回転、四回転の可能性が十分出てきます。
 
でも、それ(キープしていられる時間)が変わらないなら、回転速度を速めることでしか回転数を増やすことができません。
 
これは避けたいですね。
 
やはり、より長い時間バランスをキープしていられるようにするのがベストです。
 
その上で、必要に応じて回転速度をコントロールする。
 
そのためには何をしたら良いのか?
 
複数のアプローチが考えられます。
 
・バランス感覚の強化
・コアの強化
・コアのコントロール力の強化
・伸びきらない甲を伸ばす
・軸足をポイントする力の強化
・引き上げの持続力アップ
・コア以外のバランス修正力の強化
・ターンアウトの持続力アップ

などなど。
 
もちろん、一度にすべてを改善することは出来ません。
 
ですので、コアの改善は常に心がけるポイントとなります。
 
なぜなら…
 
 
 

【結局コアが大事】

ピルエットの三要素のうちもっとも根源的なものは「コア」でした。
 
したがって、限られた時間の中で、もっとも大きな学びと改善を得るには、もっとも根源的な「コア」の改善を外す訳にはいかないのです。
 
コアが大事
 
ブレないコアを長時間維持できるようにすることで、安心してテクニックに集中できるようになります。
 
そして、もう一つの要素…
 
 
 

【バランス力って何?】

そもそも人間が、直立するためには、三つの感覚を使います。
 
1. 視覚
2. 平衡感覚
3. 深部感覚

 
そして、この中のいずれか二つが正常に機能していれば、直立が可能になります。
 
組み合わせはどれでも良いのです。
 
たとえば、目をつぶっていても立っていられますよね。
 
目をつぶれば「視覚」はゼロになるわけですが、残りの二つが正常に機能していれば立っていられる
 
実例)
 
アメリカン・バレエ・シアターのプリンシパル、ダニール・シムキンが、まさにこれを示す動画を公開しています。
両手を目に当てて、視覚情報をゼロにした状態で見事に回転している映像です。

 

  
凡人には出来なさそうですけどね^^;

話を戻すと、クルクル回った後など、目が回っている(平衡感覚が乱れている)と、目をつぶったら(視覚がゼロ)、立っていられなくなりますね。
 
「深部感覚」だけになってしまうからです。
 
では、ピルエットの改善を図るには、三つ全ての改善が必要なのでしょうか?
 
それとも、二つ?一つ?
 
答えは、二つです。
 
2. 平衡感覚
3. 深部感覚

 
この二つです。
 
 
 

【ピルエットには視覚より重要な●●】

もしかすると、
 
1. 視覚
 
が一番大事、と思ったかもしれませんね。
 
でも、ステージはとても暗かったり、スポットライトがとてもまぶしかったり、そもそも鏡が無かったりして、視覚情報に頼るには条件が悪すぎます。
 
リハーサルは完璧で、本番も特に緊張していたわけでもないのに、踊りがボロボロになることがあります。
 
理由がわかりますか?
 
リハーサルの時、鏡がありませんでしたか?
照明が安定してスタジオ全体を明るくしていなかったですか?

 
そうなんです。
 
当たり前すぎて、見過ごされがちなんですが、視覚情報に頼った踊りは、本番でのパフォーマンスが下がるんです。
 
勘の良い人は気づいたかもしれません。
 
三つの感覚のうち二つ機能していれば良い。
 
ということは、視覚が使えなくても、他の二つが機能していれば、問題なく踊れるのでは?
 
はい、正解です。
 
それなのに、パフォーマンスが下がるということは、他の二つのうちどちらか一つ、あるいは両方が十分に機能していないんです。
 
 
 

【最後に残る犯人は“これ”】

残った二つは、
 
2. 平衡感覚
3. 深部感覚

 
ですね。
 
どっちが怪しいですか?
 
もしあなたが目が回りにくいなら、
 
2. 平衡感覚
 
はOKなので、問題なのは
 
3. 深部感覚
 
となります。
もしあなたが目が回りやすいなら、
 
2. 平衡感覚
3. 深部感覚

 
のうちどちらか一つ、あるいは、両方かも知れません。
 
そう考えると、共通している感覚が見えてきますね。
 
そう、
 
3. 深部感覚
 
これです。
 
 

【深部感覚とは?】

「3. 深部感覚」とは、
 
手足が何処にあってどういう動きをしているか感じ取るセンサー
 
のことです。
 
バレエでは、決められた個々のポジションを正確につなぐことで振付が構成されています。
 
なので、「3. 深部感覚」が甘いと、ポジションも甘くなります。
 
そして、自分ではそれを感じ取れないので、教師に注意されたり、自分で鏡を見たり(視覚)して初めて気が付きます。
 
たとえば、

カマ足を直すには、足がどうなっているか感じ取る必要があります。これが深部感覚です。

肩が上がらないようにするには、肩がどうなっているか感じ取る必要があります。これも深部感覚です。

あれ?

どこかで聞いたような話(・・?
 
先ほど書いた内容とまったく同じですね。
 
もし、あなたがこれに思い当たる節があって、しかもピルエットが中々改善しないでいるとしたら、
 
「3. 深部感覚」を鍛えるだけでピルエットが改善する可能性大です。
 
 
 

【深部感覚を鍛える方法が“これ”】

では、どうやってこの
 
3. 深部感覚
 
を鍛えたら良いのでしょうか?
 
はい、お待たせしました。
 
それこそが、新体操世界選手権個人総合史上最年少三連覇を果たしたヤナ選手を育てた
エレナコーチが指導している「アンクルトレーニング」なのです。

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